***** 知っているようでいて知らない!?消火器などの器具・設備について *****
熱感知器(差動式スポット型感知器)
皆さんが、会社や学校でよく見かけるのは多くがこのタイプです。これは周囲の温度が一定の温度上昇率以上になった時に発報する仕組みです。つまり暖房などで部屋が徐々に温まっても大丈夫なのです。仕組みは中に空気室という物があり、ここが暖められると空気が膨張するのです。風船が膨らむような物ですね。そして接点を閉じて発報するのですが、徐々に温まる場合は空気室のリーク孔という小さな穴から空気が逃げるので反応しないということです。
熱感知器(定温式スポット型感知器)
このタイプも比較的見る機会が多いと思います。前述の差動と同じく熱感知器ですが台所や脱衣場など温度変化が頻繁に起きそうな所に設置されます。定温というだけあり、予め65℃や70℃などと決められた温度になった時に発報します。内部の金属部分の熱膨張率を利用している訳です。また、脱衣場など湯気の立つような場所には防水型が使用されています。
煙感知器(光電式スポット型感知器)
これも普段見ることがあるのではないでしょうか。設置されているのは階段や廊下、エントランスホールなどに設置してあります。原理は感知器内に進入してきた煙による散乱反射を利用しています。ようするに煙に映りこんだ光を電気的にとらえています。
煙感知器(光電式分離型感知器)
このタイプは設置されていても気づかない人が多いでしょう。体育館など主に広い所に設置されています。これは送光部と受光部から構成されています。2つを建物の端と端に設置し、常に光を送り続けています。これが火災により煙が発生すると到達する光の量が減少し、発報します。2つの間の距離はいくらでもいい訳ではなく、公称監視距離は5m〜100mとされています。
炎感知器
読んで字の如く炎に反応する感知器です。感知方式により紫外線式、赤外線式などがあります。最近はだいぶ見かけるようになって来ましたが、まだまだ少ないですね。デパートなどのトイレによく設置されています。見かけたらくれぐれもタバコに火を点けないでください。
発信機
廊下などに設置してあるつい押してみたくなってしますヤツです。ボタンを押すことにより感知器と同様に信号を受信機に送ります。と同時に後述の音響装置が鳴動する仕組みになっています。受信機と同様にP型1級、2級などがあり設置場所によって屋内型・屋外型のタイプがあります。発信機は歩行距離が50m以下と定められている為、建物の規模によっては各階に複数設置されている事もあります。
表示灯
こいつは昼夜を問わず赤く光っています。これは発信機の直近に設けられています。細かい規定は特に有りませんが、取付面と15℃以上の角度で10m離れた位置から容易に確認出来る事、とされています。ようするによく見える事が大事です。
音響装置
音響装置とはようするにベルです。これは中心から1m離れた位置で90db以上という規定がある為かなりの音量です。これもまた設置の距離が決まっていますが、歩行距離ではなく水平距離が25m以下となっています。これは歩いて行かなくてはいけない発信機と違い、音が聞こえればいいベルだからですね。また、発信機の50mの半分である為通路には音響装置が単独で設置されている箇所もあります。
機器収容箱
発信機と表示灯が表から見え、内部の編みのような所に音響装置が格納されています。前述の通り発信機の規定により歩行距離が50m以下になるように設置されています。
受信機
受信機は感知器、発信機から発せられた信号を受信しベルの鳴動などにより関係者に知らせる物です。受信機には様々な種類があります。信号を受信すると「火災」の赤い表示と共に該当警戒区域(何階など)の表示を点灯させ同時に建物の音響装置を鳴動させます。また受信機には停電時にも動作するように内部にバッテリーが接続されています。受信機は管理室や警備室などなど常時人のいる様な場所に設置されています。